FC2ブログ

CMスタッフの日記

横浜市営地下鉄センター南駅で開院している生殖補助医療を専門にしたクリニックです。日々のクリニックでの出来事などをご紹介いたします。

【精子のしくみ】

今日は精子についての続きです。
精子のもととなる精粗細胞は、精巣にある精細管で生産され、精巣上体部に移り成熟を経て精子となります。その後精管で貯蔵され、射精のときを待ちます。
以前、卵のお話のときに“生涯で成長する卵子の数はお母さんのおなかの中にいる時点で決められている”と述べましたが、精子の場合は幹細胞といって、都度生産され分化・形成する特殊な細胞のひとつです。
毎日生産される精粗細胞は精子に成るまでおよそ75日前後といわれています。この期間に高熱に及ぶ風邪等、放射線治療を受けるなどした場合は、その後精液とともに射出される精子には影響が出ると考えられます。

そんな精子の構造について頭部・頚部・尾部に分けてお話しましょう。

まず丸い頭部に核が凝縮されているほか、真ん中くらいまで先体とういうものに覆われています。これは精子がいよいよ卵子に突撃するぞー!というときに卵の成長を促すはたらきをもつ卵丘細胞を酵素で分解し、スムーズに通り抜けられるようにする役割をします。さらに、さぁ卵に接着!という場面で卵をバリアしている透明帯という膜をこれまた酵素で分解し、侵入しやすくします。これを“先体反応”といいます。

頚部にはミトコンドリアと受精の際に大事な役割をもつ中心小体が存在し、頭部と尾部の接合部を担います。

尾部は卵子の元へ突き進む鞭毛の役割をします。
射精された精子は子宮まで進み、卵管まで到達すると卵子が排卵されやってくるのを卵管で待機しています。その後排卵され近づいてくるのを感知した精子はそれまで以上に尾部をひっきりなしに動かし、頑張って卵子のもとへ向かいます。これをハイパーアクチベーションといいます。
最近、尾部先端には左向きらせん構造になっているのを発見した報告があります。このらせん状がどんな意味をもつのか分かれば精子の動きで重視される前進性のはたらきなど様々なことが判明してくるといわれています。


少し長くなってしまいましたが、精子についてご理解いただけましたでしょうか。
まだまだお話足りないくらいですが、受精・妊娠するまででもいかに奇跡的というのが伝わればいいなと感じます。
そしてその奇跡に我々がお力添えしていることを誇りに思い、これからも更なる努力をしていきたい所存です。

胚培養士Tより
スポンサーサイト



コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバックURLはこちら
https://isci.blog.fc2.com/tb.php/647-96727523
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)